
この前イギリス人と話してたんだけど、クリスマスに『アドベントカレンダー』がなんちゃらって。何それなんだな。

アドベントカレンダー知らないのか?教えてやるぜ!
クリスマスシーズン、イギリスでも人気なアドベントカレンダー。欧州では一般的なものですが、日本ではあんまり馴染みのないものなので今回紹介したいと思います。
アドベントカレンダーとは
Advent Calendar(アドベントカレンダー)、日本にいたときはあまり馴染みのなかった言葉ですが、イギリスではクリスマスのマストアイテムのようです。
要は、12月の頭からクリスマス当日までに使う『お楽しみカレンダー』のことを指すようです。全部で24マスの穴あきカレンダーだと思うと簡単なのですが、1日ずつカレンダーの中身を開けていき、クリマスまでのカウントダウンに使います。
中に入っているものも様々なのですが、お菓子や食べ物(今年はチーズが人気で、年により流行がある)、レゴなどのおもちゃ、化粧品や美容品、お酒など何でもありです。コンセプトもバラエティー豊かなので大人も子供も楽しめる内容になっています。
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イギリスではカップル同士が交換するプレゼントでもあるんだな
ニュージーランドでは大人が子供のために手作りする家庭も多く、日本でもどちらかというとこっちがメインな気がします。逆にイギリスは娯楽色の強い、大人用のアドベントカレンダーが充実しているイメージです。
ちなみにイギリス人の知人に話すと、チョコレートはどちらかというと子供向けのアドベントカレンダーだそうですが、いざ貰うとやっぱり懐かしくて嬉しくなるらしいです☺️笑
上はどちらもスーパーで売っていたチョコレート入りのものですが、値段は1つ140円ほど。かなりお手軽に買うことができます。
しかしこのアドベントカレンダー、ネットで見ると値段はピンキリです。化粧品はDiorやLANCOMEなどの有名ブランドからも出ていて、1セット8万円以上とかなり高額のものもあります。ただ、扱いは日本の福袋にちょっと似ていて、高額でたくさん商品が入っているものほど実はお得にグッズを楽しめるのだとか。(だいたい4万くらいの化粧品のカレンダーの中身は、店頭で買うと2倍以上の値段になるそう)

たしかに日本の福袋も値段が高い袋はお得なものが多いよね
高級ブランドほどお得率は高くなるのでその分競争が激しく、秋口の販売開始とともにあっという間に売り切れになってしまいます。売り出しの早いブランドもあるので、人気なものを狙う場合には9月くらいからサイトをチェックする必要があります。
起源
ルーツは意外に最近で、19世紀のはじめ頃よりドイツのルーテル派(プロテスタント)がクリスマスまでの日数を数えるため、ドアに印をつけたのが始まりだそう。
待降節(たいこうせつ:クリスマスの準備と本当の理解を深めるための期間)に開始され、Advent(アドベント)はラテン語のAdventus(到来)から派生していて、キリストの降臨を待っていたこの期間に登場するという意味にも合致します。

実はかなり由緒正しきクリスマスアイテムなんだぜ
現在では華やかなパッケージに包まれたものが多く出回っていますが、最初に登場したアドベントカレンダーは今とはかなり様子の異なるものでした。当時はチョークでバッテンをつけるだけだったり、宗教画を一枚ずつ飾っていったそうで、もちろん全て家庭ごとの手作りでした。
現在の華やかなアドベントカレンダー
これがメジャーになったのは1900年代初めのことで、新聞の特別付録として紙に印刷されたものがプレゼントキャンペーンになり、そこで一気に人気が広まったとか。ここが紙に印刷されたアドベントカレンダーの普及の始まりです。中にメッセージが入っていたり、窓を開けると出てくる聖人や天使のイラストを楽しむことができました。

当時はかなり宗教的な意味合いの強いものだったんだな
その後、第二次世界大戦の紙不足により一時影を潜めるようになりますが、1946年に復活し、この頃から中にオブジェやチョコレートが入っている、いわゆる娯楽色の強いものが販売されるようになります。もともと宗教色の強いものが主流だったためにキリスト教文化の根付いた国でしか出回っていませんでしたが、娯楽用のものが出てからはそうでない国にも人気が広がったようです。本来のものであったならば日本にも伝わらなかったかもしれないですね😮

日本人は来歴関係なしになんでも楽しめるからな。イースターの次はこれも流行って欲しいぜ!
ブランド
こんなブランドがやってました!
アドベントカレンダーを出しているメーカーはかなりの数あるのですが、イギリスのネットでざっと見ただけでもこんなに種類が!

チーズや紅茶、ワインなど色々なシリーズがあるんだな
★化粧品 Dior、MAC、THE BODY SHOP、YSL など
★紅茶 Fortnum&Maison、T2、PUKKAなど
★お酒 アサヒビール、WHITLEY NEILL、BREWDOGなど
★お菓子 ハリボー、リンツ、ゴディバなど
★おもちゃ 羊のショーン、レゴブロック、スターウォーズ、ハリーポッター
などなど無数に出てきます。
特に化粧品はお得率が高いので人気が高いです。ちなみにブランドによるのですが、MACなんかは新宿や伊勢丹で通常販売されていたようです。日本では福袋文化があるので、ものによっては海外で買うよりも案外日本で買った方が競争が少なく買えるのかもしれません😮(ただし値段はその分少し上がりますが...)
私が見かけた中で『高いけど欲しい!』と思ったのはウェッジウッドのクリスマスツリーのオーナメントが入ってるアドベントカレンダー。なんと8万円を越えるそうです😳 コレも 中身を合算するとやっぱりお得なのでしょうね、しかし手を出すとなると勇気のいる値段です....。日本でも通販で販売されていました。
実際に買ったもの
今回我が家で買ったのは紅茶とビールのアドベントカレンダーです。
『Fortnum&Maison(フォートナム&メイソン)』、『Pukka(パッカ)』、『English Tea Shop(イングリッシュ・ティーショップ)』、『Clliper(クリッパー)』と、紅茶でとにかく固めました。ビールは『STAG DESIGN(スタッグデザイン)』というメーカーのビールスタンドを購入しました。
アドベントカレンダーの中でも紅茶はお得感があるものの一つなんだな
イギリスでは紅茶のアドベントカレンダーはかなりの量が販売されているために競争率も低く、値段もお手頃なものが多いです。24種類全部違うフレーバーの紅茶が入っていたりするので、なかなか試すことができないマイナーな紅茶に挑戦できます。『フォートナム&メイソン』など、普段は買うのを躊躇するようなメーカーのものにトライしてみました。
ちなみに購入時期についてなのですが、イギリスでは紅茶に限って言えば11月の後半でもまだ手に入るものが多いです。いよいよ12月に入ると値引きも多くなってくるので、『日付にはそこまで拘らないけど、たくさん種類を飲みたい』という方は遅めの購入も狙い目です。
次は、実際に私が購入したアドベントカレンダーについて詳しく触れていきたいと思います。
Fortnum&Mason(フォートナム&メイソン)
F&Mのアドベントカレンダー
紅茶(左)とチョコレート(右)の2種類を購入
『フォートナム&メイソン』は1707年創業のイギリスの高級食品雑貨店です。中でも紅茶やティーグッズがメインとなっており、日本にもたくさんの店舗が進出しているのでご存知の方も多いのではないでしょうか。
紅茶は毎年新作がたくさん出ていてラインナップも豊富なので、アドベントカレンダーで色々試してお気に入りを見つけるのが効率がいいのかな、と思い購入しました。

色々試したいからって1缶ずつ買っていくとすごい値段になっちゃうんだよな
F&Mのアドベントカレンダーは値段に幅があって、本格的なものは本店の外観を模したデザインですごく素敵でした!中に紅茶の小さい缶が一つ一つに入っていて、オルゴールも楽しめるそうです。
しかし結構お値段は高くなっていて。日本のサイトでも販売されているのを見かけたのですが、送料合わせて3万円を超えていました。日本のサイトから購入すると、余計に高いですね...(イギリスでは1万4、5千円くらいだったような)

カレンダーがオルゴールになってるなんてオシャレなんだな
それでは紅茶のカレンダーの方を紹介していきたいと思います。
ここにも『チョコレートをお忘れなく』の文字が。
なんとしてもチョコも買ってほしいという強い意志を感じるな
F&Mのアドベントカレンダーはデザインが凝っていて、クリスマス気分に浸れること間違いなしです。 ちなみにサイズは結構大きくて、だいたい縦34cm、横25cm。F&Mの小さいエコバック(これもお土産として定番)にぴったりサイズで入ります。
オリジナルのエコバックと一緒に友人へのプレゼントに喜ばれそうです。
上の写真のように12月の頭から24日のクリスマスまでの日数、1〜24までの数字が並んでいます。1日ずつ日付部分を開けて中身を楽しみます。
パッケージの裏側を見てみると、中に入っている紅茶のラインナップが書いてありました。ちなみに今回は全部で21種類の紅茶が入っていて、クリスマスの定番のお茶『Christmas Black Tea』などが入っていて季節感のある紅茶を楽しめます🎄

『Royal Blend』などの定番もしっかりおさえているんだな
中を開いて確認してみるとお茶のパックがたくさん入っていました。ティーバックがそのままプラスチックの仕切りの中に入っていて忙しい日でも簡単に取り出すことができます。
そしてこちらがどうやら推し?のチョコレートのアドベントカレンダーです。1日1個ずつトリュフタイプのチョコレートを楽しむことができます。
ちなみにサイズは紅茶よりも小さくて、だいたい縦34cm、横14cmくらいでした。
チョコレートの中身や紅茶の種類を詳しく知りたいという方もいると思うので、そちらについては別の記事にまとめてみました。
あと気になる値段の方なのですが、紅茶のアドベントカレンダーは25£(3500円ほど)、チョコレートは35£(5000円弱)+送料で、実はチョコレートの方がかなり高いです笑
(※2020年現在、大雑把に1£=140円で計算しています)
PUKKA(パッカ)
『PUKKA(パッカ)』もイギリス発祥のブランドで、特にオーガニックに力を入れたハーブティーが豊富に揃っています。ノンカフェインのものが多く、インドのアーユルヴェーダや中国漢方の製法を取り入れた紅茶ブランドです。
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最近まで『プッカ』って呼んでたんだな
PUKKAもF&Mほどではないのですがちょっとだけお高い紅茶ブランドなので、アドベントカレンダーでお気に入りを見つけたいと思います。
F&Mのように、『これぞ、アドベントカレンダー!』というようなの形にはなっていませんが、上の部分に麻の紐が通せるようになっていて、壁にかけて楽しむことができます。開いた瞬間に様々な紅茶が合わさったオリエンタルな匂いがします☺️

部屋中がいい匂いになっちゃうんだぜ
PUKKAの特徴は24日全て違うフレーバーの紅茶を楽しめることです。ノンカフェインが多いので、夜の寝る前に楽しむことができるのも良いですね。 ちなみに値段は15£(だいたい2000円ちょっと)。まとめて買おうとすると結構な値段になる紅茶ブランドですが、24日全部違うお茶が入っているのでお得感があります。
English Tea Shop(イングリッシュ・ティーショップ)
『English Tea Shop(イングリッシュ・ティーショップ)』は1990年に創業した、スリランカに工場拠点のある、イギリスの中でも比較的新しい紅茶メーカーです。スリランカの高地で栽培された一級品の茶葉を使用しており、かわいいパッケージとコスパの良さが人気の秘訣です。イギリス国内でもギフト用品として人気が出ています。
また、フェアトレードに力を入れていることでも有名で、原産国の製造者との間で公正な取り組みを推奨しており、発展途上国にいる茶葉の生産者への生活や教育の支援を行っています。
アドベントカレンダーも英国らしい可愛いクリスマス仕様になっています。値段は27£(だいたい3800円)で今回はイギリスのネットで購入しました。ちなみにこの赤いパッケージのカレンダー、これはイングリッシュ・ティーショップのカレンダーの中でも高めのものでした。20£以下で青と緑のものが出ていたのですが、英国内でも流石に11月末には売り切れていました。
こちらは全部で13種類の紅茶が入っていました。
ちなみにイングリッシュ・ティーショップは今勢いがあって日本でも売り出し中です。イギリスで購入したのと同じものが楽天で売っていたので載せておきます。
また、13種類を1パックずつ試せるバラエティーセットがキャンペーンで安く売っていることもあるので、ネットをちょこちょこチェックすると日本のサイトでも掘り出し物に出会えるかもしれません。
CLIPPER(クリッパー)
CLIPPER(クリッパー)は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。イギリスの海峡に面した田舎町、ドーセットを発祥とした紅茶ブランドで、親しみやすく庶民的なコスパの良さでイギリス人に愛されています。日本では2009年より販売が開始され、オンライン上でも手軽に楽しむことができます。ちなみにこちらのブランドはイギリス国内のスーパーでも至る所で見かけます。
こちらのブランドもフェアトレードとオーガニックな製品に拘っています。イギリスの紅茶メーカーの傾向として、近年はその利益がきちんと生産者に還元されるようにすることが重視されているようです。
パッケージは手のひらサイズで
毎日違うデザインを楽しめます
クリッパーもざっと確認したところ、12種類の紅茶が入っているようで楽しみです。値段も5£(だいたい700円)とお手頃なので、気にいったものがあればまとめ買いしたいと思います。
★先ほども書きましたが、アドベントカレンダーの紅茶の中身が気になる方がいらっしゃるかもしれないので、全て開け終わったタイミングで中身を公表したいと思います。
日本で手に入る紅茶ブランドがほとんどなので、もしよかったら参考にしてください。記事がまとまり次第インスタで報告させていただきます☺️
STAG DESIGN(スタッグデザイン):ビールスタンド
もうひとつ海外らしくて可愛いなあと思ったのがこのビールスタンドのアドベントカレンダー。今回購入した中では唯一の紅茶以外のカレンダーです。
木枠がモミの木の形にデザインされていて、毎年使いまわせるのも良いな、と思いました。ちなみに値段は日本円で8000円くらいで『ビールもついているなんてお得!』と思いきや、中身はついていませんでした笑(そりゃそうですよね...)
全部セットで8000円だと思っちまったんだな
家に配送されてから気づいて、慌ててビールショップに駆け込むことになりました。
ちなみにカレンダーのビールを買いに行ったのはこちらのお店。
瓶の直径が細めのものでないと木枠に嵌らないので、以前出先で見かけた街のビールショップに行ってきました。
⬇️場所はここ
Hitchin(ヒッチン)はケンブリッジから車で1時間弱の位置にある街なのですが、マニアックなショップがあったり、ラベンダーで有名な『Hichinラベンダーガーデン』があったりとけっこう見所が多い街です。
地元の地ビールもたくさん扱っていて、これがフレッシュで美味しいとかなり評判です。 また、ベルギー、ドイツ、ロシア、インドなど、世界各国の輸入ビールを手頃な値段で楽しむことができます。
結構迷うかなあと思ったのですが、冷静に考えてアドベントカレンダーの木枠にぴったりハマるサイズのビールって、24種類ギリギリあるかないかくらいだったのでお買い物もスムーズでした笑
こちらは今回買った中で一番高い、1本11£(だいたい1500円くらい)するビール。ジンの樽で熟成したスタウト(黒ビール)だそうで、なんだかすごく興味をそそられますよね.... 😮
結局アドベントカレンダー本体よりもビールの方が高額になってしまいましたが、もし美味しいものがあれば紹介したいと思います。

しかし1日1本開けるって意外にハードだぜ
以上、今年のアドベントカレンダーについてでした。